蝶々結び
昼食は近くのファミレスで済ませ、そのままドライブをした。


上杉先生は、運転がすごく上手い。


あたしが今まで乗せて貰った人の中でも、断トツだと思う。


上杉先生の事が好きだから、そう思うだけなのかもしれないけど…。


「先生って、運転上手いですよね!」


「別に普通じゃねぇの?」


「上手いと思いますけど……」


「まぁ、下手じゃないとは思うけどな……。それより、お前さぁ……」


運転しながら話していた上杉先生が、途中でムッとしたような表情になって何かを言い掛けた。


「何ですか?」


あたしは、先生を促してからペットボトルのお茶を飲んだ。


「俺の事、ちゃんと名前で呼べよ」


「なっ……っ!?ゲホッ……っ!」


あまりにも唐突過ぎる言葉に焦ったせいで、噎(ム)せ込んでしまった。


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