准教授 高野先生の結婚

私の攻撃は頭突きだけじゃあ終わらない。

「しりとり、いきますよ」

「へ?」

「私からいきますね、じゃあ……“桃”」

「えーっ、ホントにやるのぉ?」

「やりますよぉ。ハイ、次は“モ”です」

“そんなぁ”と情けない顔をする可愛い彼に容赦なくしりとりを敢行する。

「なんか僕、おあずけされた犬の気持ちがわかるかも……」

「負けたらずっとおあずけですよ?もちろん棄権なら寛行さんの不戦敗です」

「僕に選択権なんて無いじゃない……」

「ま、そういうことですね」

私はまるでいつもの仕返しと言わんばかりにしれっと答えた。

寛行さんは、承服しかねるといった表情をさせつつも――

「桃……モ、モ、モ、“モ”かぁ……」

真剣に“モ”で始まる次の言葉を考え始めた。

< 18 / 339 >

この作品をシェア

pagetop