准教授 高野先生の結婚

「ハイ、次は寛行さん。“ム”でどーぞ」

「じゃあ“ムラムラ”。今の僕だね」

「なっ……!何言ってんですか」

まったく、この人はもう……。

「おあずけされて可愛そうで憐れな僕?」

「憐れってそんな……」

「事実を言ってみたまでだよ。ほら、次は“ラ”だよ、ラララ~の“ラ”」

「え、えと……“ラ”で“ラクラク”!あの、クリニックの新しい掃除機がね……」

ちょっとどぎまぎ、照れているのを誤魔化すように勝手に一人でぺらぺら喋る。

だけど――

「“ク”は“クンクン”詩織ちゃん」

彼に言葉を遮られ――

「あ、あのっ……」

「“ン”がついたからこれでおしまい」

「だって、おしまいって……」

あっという間に手首を取られて組み敷かれ、あっさり唇を塞がれた。

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