俺様☆姫様★王子様 【完】
「ここ初めて?」
席に着くや否や、要くんが喋りだす。
「うん。要くんは慣れてるね?やっぱりいろんな女のコと来ちゃうんだぁ?」
「違うし。俺、ここでたまにピアノ弾いてんだよね」
そしてさっきのピアノを指した。
「そうゆうことか!」
あたしは手のひらをポンッて叩いた。
ピアノ弾いて女のコの心を更に鷲掴みにしようって作戦だな。
このルックスでまさかのピアノ演奏。
間違いなく堕ちるね。
あたしの中で納得したのに。
「違うからっ!ほんとマジ、キミは面白い(笑)」
「は?」
「女のコ堕とすためじゃないから(笑)」
「えっ?はっ?」
「俺ね?ここで月に一回ミニリサイタルしてんの」
ガタッ
「なんですと!?」
思いっきりテーブルに手をついて、身を乗り出してしまった。