Sommerliches Doreiek〜ひと夏の恋〜
閉園を告げる音楽はどこか悲しくて、今日一日のことが映画のコマ送りみたいに頭の中を流れていく。
こうして私達はまた現実へと戻っていくのだ。
「琴音ー。ワシタクー。」
ゲートを抜けると調度美穂と安藤くんが目の前で待っていた。
「美穂。良かった先に帰られちゃったかと思ってたよ。」
「そんなワケないじゃーん。」
「えーっ。だって朝は私のこと置いていったくせに。」
2人の満足そうな笑い声が帰りの列の中で響く。
安藤くんと拓哉は肩をすくめて
「女って分かんね。」
って呟いていた。