焦れ恋オフィス
その感情は一人で暮らし始めてから、驚くほど私の中から浄化されていった。

…けれど。

仕事を始めて夏基を好きになって。

夏基の後ろにいつも感じる私以外の女の子の存在に気付かないようにして抱かれるようになって…

遠慮という哀しみを再び背負って過ごしている…。

逃げたくても逃げられない哀しみだったけど…。

今はもう、逃げたくなくても逃げるしかないんだ。

母さんの涙をたくさん見てきたから。

愛し合わない二人が、お互いに苦しむ姿を見てたから。

私一人が愛しても、二人とも不幸になるから。

赤ちゃんと二人逃げるしか…。

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