焦れ恋オフィス
「コンクールで大賞とる為に仕事してるって相模さんに見抜かれたよ…。は…笑えないな」

少し投げやりな言葉が私に伝わって、表情が見えないのがもどかしくて、唇をかみしめる。

「夏基が仕事頑張ってるの、みんなわかってるよ…?」

「あぁ。頑張ってるさ。今はまだ仕事から勉強する事多いしな…」

「うん…」

「でもな、俺の黒い心には気付いてないだろ…?」

「黒い心って何…」

「…ずるいんだよ、俺は」

くくっと笑う夏基の声が、不安を呼び込んで、私のドキドキする鼓動がやけに大きく聞こえる。

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