焦れ恋オフィス

私は黙って聞いてるしかなくて、じっと真里さんの言葉に耳を傾けていた。

周囲の人が私を心配しているのはよくわかっているし、私でさえまだ迷う気持ちはあるのも確かで。

ちゃんとこれから一人で子供を育てられるのか考えると不安で仕方ない。

それでも。

心配をかけている周りの人には申し訳ないけれど、私には赤ちゃんを産んで育てる以外に選択肢はない。

何度考えてもその結論しか出ないから。

「真里さんや兄さんには心配かけて申し訳ないけど、どうしてもこの赤ちゃんに会いたいの。私の家族だから」

小さく呟くような声だけど、気持ちを伝えるには十分にはっきりと言う私。

私の言葉に、真里さんは悲しげに眉を寄せて。

「私や巧も家族なんだから。巧が夕べ諦めたように言ってたよ」

「『全力で守る』でしょ?」

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