焦れ恋オフィス



あまりの忙しさに昼食をとる時間もなく。
開発部での打ち合わせが終わってみると、既に三時を回っていた。

さすがに集中力も切れてしまった。
片手で持てる量の図面がやたらに重い。

次の打ち合わせまで1時間。

とりあえず食堂でコーヒーでも飲むか…。

開発部を出てエレベーターを待っていると、

「忙しそうだな」

背後からの声に振り返れば、拓真。
俺と同じように打ち合わせの後なのか、ファイルを抱えて立っていた。

「夏基は開発部の打ち合わせか?」

「あぁ。やっと終わったからコーヒーでも飲んでくるわ」

「じゃ、俺もきりがついたし付き合うよ」

軽く笑う拓真。
瞳の奥に揺れてるのはきっと…芽依への気遣い。
同期の中でも特に仲のいい花凛共々、夫婦で気遣ってくれている。
< 230 / 312 >

この作品をシェア

pagetop