焦れ恋オフィス
大した事じゃないって思ってるからわざわざ言わないのか…それとも。

瑶子さんへの想いがまだ残っていて言えないのか…。

気になって仕方ないけど…。
私は夏基の側にいたいから。
不安を抱えてでも…側にいる。

左手の薬指に光るこの指輪…。
一晩たっても輝きは眩しくて、わずかながらも自信もでてくる。

夏芽がお腹に宿って、慌てて用意したんだろうな…。

ソファに座って、指輪をじっと見ていると、ようやく訪れた幸せを心底喜べない自分に泣きたくなる…。

夏芽の存在がなかったら得られる事のなかったはずの幸せを受け入れる事が…悲しい。

夏芽ができてなかったら、どうするつもりだった?

聞ける勇気がない自分が嫌で仕方ない…。
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