焦れ恋オフィス
堅人は、肩をすくめると

「瑶子が俺を選んだって…それだけでいいんだ。夏基だって大学時代からの大事な仲間だしな」

とあっさりと言ってのけた。

「…堅人、格好いい」

すりすり寄り添う瑶子に照れながらも、嬉しそうな堅人。

「…いちゃつくなら後にしろ。俺は帰るから。あ…今日も部屋譲ってくれたけど、良かったのか?」

そう。
昨日に続いて今日も俺に当てられたのはスィートルーム。
費用も瑶子持ちだと言われて断ったけれど。

『明日から仕事になったから、新居に戻るんだ』

自分でデザイン事務所を開いている瑶子は、結婚を理由に仕事を休むなんてできないらしい。
堅人も今ではピアニストとしてCDを出してるくらいだから相当稼いでるだろうに…。

『仕事しなきゃ私じゃない』

とばりばり働いている。

「次は夏基の結婚式だね。みんなで盛り上げるから」

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