焦れ恋オフィス
「どこって、お茶を入れたからリビングで飲もうと思って」
「そうか……」
夏基は、そっと私の腕から手を離すと、リビングに行った。
お盆を持って、後に続く私。
つかまれた腕がまだ痛い。
結構強くつかんできた夏基の様子が、妙に気になった。
仕事以外に本気を出さない夏基の、久々の余裕のない瞳の意味がわからない。
まさか私をどこにも行かせたくないとか?
もしそれが本当なら、それこそ、私には嬉しい事だけど、私の前でも平気で
『本命に思える女ってなかなかいないよな』
ってつぶやく夏基に限ってそれはない。
自分に都合のいい希望は持たないようにしてきたこれまでを思い出して、更に気持ちを強くした。