焦れ恋オフィス
司は、消え入りそうに小さな声で俯く私に呆れたような息を吐いた。
「なかなか芽依の本当の気持ちって見えないよな」
「……」
ふと真面目な顔で、寂しげにつぶやいた夏基は、朝の仕返しとばかりに私にデコピンをしてきた。
「いたっ」
思わず額に手をやると、その手は夏基にぎゅっとつかまれて
「芽依は、何が欲しいんだ?」
ぐぐっと顔が近付いて、整った顔が私の目の前で疑問符をなげかけてくる。
まるで私の心臓の音を確認できるくらいに静かな部屋の中で、私の答えを待っている。
夏基からの低い声と、突然の表情に、私の呼吸は止まってしまった。