焦れ恋オフィス
塩焼きそばに酢をたっぷりかけて食べたい。
って浮かぶのは、やっぱり妊娠しているせいかな。
酸味を欲する妊婦さんの話はよく聞くし、私のその例にもれず欲しているのかもしれない。
ううん、私じゃなくて、おなかの赤ちゃんが欲しているのかな。
そう思うと、愛しい命が宿っている事に幸せを感じて嬉しくなる。
無意識にそっと手がお腹の上に動いてしまう。
そんな私を怪訝そうに見ていた夏基は。
「……じゃ、とりあえず出かけるか」
「うん」
そして、二人して部屋を出ようとした時、聞こえてきたのは携帯の着信音。
見上げると、夏基が溜息をついていた。
「悪い。会社用の携帯だ。ちょっと待ってろ」