焦れ恋オフィス

夏基は、キッチンとリビングの間のカウンターに置いてあった携帯を取ると、ソファに座り込んで話し出した。

表情は仕事モードに切り替わっていて、今までの甘い様子は消えていた。

とりあえず、私も少し距離を置いて座った。

「はい、戸部です。……お疲れ様です」

設計部門の仕事は現場に出向く事も多くて、会社から携帯が持たされている。

今日みたいに土曜でも現場が動いていれば電話がかかってくる事もしょっちゅうで、二人で会っている時もこんな電話は当たり前。

普段飄々として、どこかつかみにくい軽さを身にまとっている夏基だけれど、仕事に関しては手を抜かなくて、社内からの信用も大きい。

現場からの呼び出しがかかれば二つ返事で行ってしまう。

今日も呼び出しかな。

そう呟いて、そして。

軽くお腹に手を当てながら苦笑してしまう。

今はまだ、赤ちゃんの事を言わないほうがいいって事なのかな?

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