焦れ恋オフィス

芽依へぶつける事ができない、俺の苦しい気持ちの行き場はどこにもなく、ただその想いを凍らせる努力をするだけで。

ひたすら気持ちが落ち着くのをじっと待つ。

そんな俺の心情にお構いなしの、軽い慎也さんの声。

「そういえば、芽依ちゃんと戸部って同期だよな?」

「……はい」

普段通りの明るい慎也さんの言葉がなんだかつらい。

「芽依ちゃん、なかなか綺麗な顔してるから社内でももてるんじゃないか?」

「……」

「専務も気が気じゃないよな。手元に置いておきたくて、自分の会社に入れたのに、実力もあるし見た目もいいし。他の男に取られるんじゃないかってひやひやしてるだろうな」

くくっと笑う慎也さんを見ながら、俺の心は更に凍っていく。

高橋専務は、そんなに芽依を大切にしてるのか?

だけど、芽依の事をそれほど愛してるのなら、どうして他の女と結婚してるんだ
よ。

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