焦れ恋オフィス

俺の顔に、怒りや嫉妬。

疑問や諦め……色々な感情が表れたのか

「慎也、戸部くんが困ってるぞ。芽依ちゃんの事は余計な事言わない事になってるんだろ」

相模さんがやんわりと口を挟む。

慎也さんは、

『あー、そうだな』

とつぶやくと、軽く肩をすくめていた。

「みんな芽依ちゃんが好きだからな。まぁ、専務もメロメロだよな」

「……」

しばらく、俺の中には何の感情もうまれない。

ずっと、芽依と専務の関係は俺の勘違いで、実際は愛人なんかじゃないかもしれないと微かな希望を抱いていた。

週末のほとんどは俺と一緒だし、どんなに激しい愛し方をしても同じくらいの激しさで応えてくれる。

体中の赤い花を拒否した事もない。

けれど、芽依が学生時代の頃から二人が付き合っているのなら、俺一人を愛してもらうなんてありえないよな。

それでも芽依を愛している俺に、二人で過ごす時間を手放すなんてできそうもない。

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