月と太陽Ⅱ



するとイヴが険しい顔つきになりながら低く、唸るような声で言った。


「確かにそうですね……簡単に信用できる方が難しいでしょう。しかしあなた方は分かっていない。あなた方が今まで伝えられてきた歴史は私が知っている本当の真実とはきっと異なるだろう」


語尾を少し荒げながらイヴは怒りをあらわにした。


どういうことなの?


まるで標識に書かれていたことの通り……


エセルは考えこむように下を俯いた。


それに一体何にイヴは怒りを……


そして一体誰にあの呪いをかけられたのかしら。

エセルにはわからなかった。


しかし今ならイヴに聞くことができるかもしれない。


イヴの言う、本当の真実の歴史とやらを……
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