月と太陽Ⅱ
「私は王家のある秘密を知ってしまったのです。決して知られてはいけない秘密を……私は"ある男"に呪いをかけられてさまいました。不死身の呪いは私の心を支配し、獰猛な猪に変えられました」
その口振りは静かな怒りをも感じられた。
「しかし五百年に渡って続いたこの呪いもあなた方のおかげで解くことができました。これでやっと死ぬことができる―――」
イヴは嬉しそうにそう言った。
その時そんなイヴの体に異変が起きた。
ゆっくりと老いている。
呪いを解いたせいで一気に年をとっているのだ。
そんな中、イヴは深刻な面もちで重たい口をゆっくりと開いた。
「私が生きていられるのもあと僅かだ。あなた方にお話しましょう。倒さなければならない本当の敵を」