言霊師
―――14:00。二人が話している頃、大学では。


(…アドレス聞き忘れると、こういう事になるのよね…)


眠気と闘いながら、ムメは終盤に差し掛かった授業を受けていた。机の上は、ノートと筆記用具以外、既に片付けられている。


(全く…向こうのキャンパス行くのめんどくさいのに。)


彼女が今いるのは、星葉(ほしば)キャンパス。


ヒョウリと約束した時計台があるのは、ムメがいるキャンパスから自転車で10分の、川平にあるキャンパスだ。

メールでその事を知らせる事が出来ないなら、出来る限り急いで行くしかないだろう。
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