言霊師
―――キーン コーン…


チャイムが鳴り、教授が授業終了を告げ終えるとほぼ同時に、ガタッと椅子が鳴る音やペンなどをしまう音が教室に響く。その騒がしさを背に慌ただしく廊下に出て行くムメの姿を、その友人達は不思議そうに見ていた。


「あれぇ?今日何かあるのかなー?」


「誰が?あ、ムメ!?ノート見せて欲しかったのに…。」


「ね。かなり慌ててたよ。まさか…彼氏…!?」


「えーーー!!!」


そんな具合に友達が勝手な盛り上がりをみせた頃には、ムメはもう星葉キャンパスから脱出していた。
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