言霊師
突然そう尋ねられ、慌てて首を横に振るが、相手の眼光は鋭いものへと急変した。
「…あの女を消す。或いは、二度と仕事が出来ないようにする。
それが条件で“こっち側”に来たんだろう?―――出来ないなら、俺がお前を始末する。許可済みだしな?
なぁ、死にたいのか?勇次」
勇次と呼ばれた男の青ざめた顔には、恐怖と後悔の色が浮かんでいる。
あの女、つまりムメを始末する。
言霊遣いと交わしたその契約は、期限付きだった。
「約束の日までに出来なかったら、力は返して貰うよ。
その時は、ついでにあんたに死んでもらう事になるけどねー。
じゃあ、また♪」
―――ただ、人にはない力が欲しかった。でも、一言主からそれを授かる事は叶わなかった。そんな自分を甘い言葉で誘って来たのが言霊遣いだったなんて、その時は知らなかったんだ。
「…あの女を消す。或いは、二度と仕事が出来ないようにする。
それが条件で“こっち側”に来たんだろう?―――出来ないなら、俺がお前を始末する。許可済みだしな?
なぁ、死にたいのか?勇次」
勇次と呼ばれた男の青ざめた顔には、恐怖と後悔の色が浮かんでいる。
あの女、つまりムメを始末する。
言霊遣いと交わしたその契約は、期限付きだった。
「約束の日までに出来なかったら、力は返して貰うよ。
その時は、ついでにあんたに死んでもらう事になるけどねー。
じゃあ、また♪」
―――ただ、人にはない力が欲しかった。でも、一言主からそれを授かる事は叶わなかった。そんな自分を甘い言葉で誘って来たのが言霊遣いだったなんて、その時は知らなかったんだ。