言霊師
言霊を視る力を得るための試験。自分はそれができなかった。何がどう出来なかったのかは未だに分からないが、資格がない、と言われたのだ。それを認めたくなくて再び祠を探したが、見つからず、途方に暮れていた時。

『言霊を視る力が欲しいんだろう?』

そう話しかけられた。

『昨日奪った力を、あげようか?……何…ちょっとした約束をしてくれるなら、たやすい事だ。』


そう話す者は、一人の男を仲間だと言って自分に紹介し、約束を遂行するための指南役、そして監視役になれと命じていた。それが、先程ムメを襲った男だ。

『シン』

それが、自分に力と悪夢を与えた言霊遣いの名。
言霊遣い達は皆彼の命令に従って、狙う言霊師を決めたり行動を起こしたりしていた。
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