言霊師
言霊遣いがどんな存在なのか分からないままただ突っ立っていると、シンは透明な球体と―――掌大の、赤黒い“何か”をポケットから出して自分の方へ差し出して―――
気が付くと、指南役の男しかいなかった。彼の名は、悠(ハルカ)。同じ大学なので、監視しやすい事が人選の理由だったらしい。互いに、去年入学した同学年だった。
『で、よろしく♪勇次君!』
その時から、自分は
『シンからの伝言は、そこの言霊。見えるだろ?』
もう後戻り出来ない世界に足を踏み出していた。
『何々?俺も見ていい??
……“言霊師の一族から新たに排出された処刑人が同じ大学にいる。大学祭の前日までに彼女を殺せ。或いは、二度と仕事が出来ないようにしろ。失敗した際の掟は、悠から聞け。悠に従え。”』
気が付くと、指南役の男しかいなかった。彼の名は、悠(ハルカ)。同じ大学なので、監視しやすい事が人選の理由だったらしい。互いに、去年入学した同学年だった。
『で、よろしく♪勇次君!』
その時から、自分は
『シンからの伝言は、そこの言霊。見えるだろ?』
もう後戻り出来ない世界に足を踏み出していた。
『何々?俺も見ていい??
……“言霊師の一族から新たに排出された処刑人が同じ大学にいる。大学祭の前日までに彼女を殺せ。或いは、二度と仕事が出来ないようにしろ。失敗した際の掟は、悠から聞け。悠に従え。”』