言霊師
その苦しみを知りながらも、慎は、神が受けた昔の傷を開くように語り始めた。
それは、ムメが知る話の続き。
「あの時…お前は、油断していたのだ。時の権力者が連れて来た術師は、他でもない、自分を祠る賀茂氏だったからな。
そして、護りを任されていた一族もまた、元を辿れば賀茂の傍系。
あの時、血の繋りがある者を消さんとするなど、甘い貴様には理解が及ばぬ事だった……故に、死にかけた長老が自分に契約を申し出るまで、何も出来なかった。
あの女の一族に擦り込んだ話は、こんな所か?自らも、“そうだった”と思い込んでいたのだろうが…
事実を思い出せ、一言主。」
残酷なまでの、事実。
慎は、それを告げ、その身を内から支配しようとしているのだ。
それは、ムメが知る話の続き。
「あの時…お前は、油断していたのだ。時の権力者が連れて来た術師は、他でもない、自分を祠る賀茂氏だったからな。
そして、護りを任されていた一族もまた、元を辿れば賀茂の傍系。
あの時、血の繋りがある者を消さんとするなど、甘い貴様には理解が及ばぬ事だった……故に、死にかけた長老が自分に契約を申し出るまで、何も出来なかった。
あの女の一族に擦り込んだ話は、こんな所か?自らも、“そうだった”と思い込んでいたのだろうが…
事実を思い出せ、一言主。」
残酷なまでの、事実。
慎は、それを告げ、その身を内から支配しようとしているのだ。