言霊師
待ち合わせは、丁度良い感じに大学祭が盛り上がる午後一時だ。ステージや、屋内・屋外の屋台の熱気からは遠いこの場所に、眉目秀麗な青年がただただ立っている。
誰かと待ち合わせているのは周りにも分かる事なのだが、ヒョウリは、不審がられていないか内心ハラハラしていた。理由は、自身に疚しい事があるから、だ。
何故なら、
「ちょっと、ヒョウリ!あちこちに“目”を散らしてどうするのよ。相手もコレ、見えるのよ?」
「ぅわッ!?…何だ、ムメさんかー。」
「失礼な反応ねー」
突然現れたムメに本気で身を飛び跳ねさせた彼は、言霊遣いの動きを監視しようとあちらこちらに言霊“目”を配置していたのだ。
誰かと待ち合わせているのは周りにも分かる事なのだが、ヒョウリは、不審がられていないか内心ハラハラしていた。理由は、自身に疚しい事があるから、だ。
何故なら、
「ちょっと、ヒョウリ!あちこちに“目”を散らしてどうするのよ。相手もコレ、見えるのよ?」
「ぅわッ!?…何だ、ムメさんかー。」
「失礼な反応ねー」
突然現れたムメに本気で身を飛び跳ねさせた彼は、言霊遣いの動きを監視しようとあちらこちらに言霊“目”を配置していたのだ。