言霊師
それでもムメの登場に気付けなかったのは、彼女が言霊を消したからだろう。
自分が折角配置した言霊を消されて不満を零すヒョウリだったが、ムメは余裕のある笑顔で答えた。
「大丈夫よ。言霊は貴方の味方だし…私達には、あの方もついてる。だから、大丈夫。」
「こいつ等は、貴女の味方、でもあるんじゃないですか?一言主の“いい人”ですしね」
「“いい人”って…」
素直に顔を赤らめたムメは、話題を変えようとして気が付く。一人足りないではないか―――
「んな事より、勇次は?」
「…まだです」
知らず二人の間に緊張が走る。今日狙われているのはムメだけではない。裏切った勇次もまた、標的の一つ。
自分が折角配置した言霊を消されて不満を零すヒョウリだったが、ムメは余裕のある笑顔で答えた。
「大丈夫よ。言霊は貴方の味方だし…私達には、あの方もついてる。だから、大丈夫。」
「こいつ等は、貴女の味方、でもあるんじゃないですか?一言主の“いい人”ですしね」
「“いい人”って…」
素直に顔を赤らめたムメは、話題を変えようとして気が付く。一人足りないではないか―――
「んな事より、勇次は?」
「…まだです」
知らず二人の間に緊張が走る。今日狙われているのはムメだけではない。裏切った勇次もまた、標的の一つ。