言霊師
けれどその笑顔は、すぐに掻き消される事となった。
「―――え?」
ドスッという鈍い音と同時にグラリと傾ぐのは、ムメの身体。
ゆっくりと倒れたその背から腹にかけて、深々と刀が刺さっていた。
「…ぅわあぁぁあああ!!!!!」
刀が霧散するまで呆然と立ち尽くしていたヒョウリが、咆哮のような悲鳴を上げる。
彼女以外にこの場にいるのは、自分と、伏している神だけ。
消えたという事は、ムメの身体を貫いた刀は言霊か呪物か―――
「ムメさん!!!くそ…っ何で…何で結界を…!!ムメさん!ムメさん…っ!」
自分が、結界が解けている事を忘れていたから。だから慎の術が届いてしまったのだ。
腹部を圧迫しても、地面の緋色は広がっていく。呼びかけても、白くなっていく肌を止められない。
「ムメさん!一緒に戦うって言っただろう!?…信じるって…そう言われて嬉しかったのに…ムメさん!!お願いだから―――僕はもう…もう、目の前で大切な人を失いたくないんだ…ッ!」
「―――え?」
ドスッという鈍い音と同時にグラリと傾ぐのは、ムメの身体。
ゆっくりと倒れたその背から腹にかけて、深々と刀が刺さっていた。
「…ぅわあぁぁあああ!!!!!」
刀が霧散するまで呆然と立ち尽くしていたヒョウリが、咆哮のような悲鳴を上げる。
彼女以外にこの場にいるのは、自分と、伏している神だけ。
消えたという事は、ムメの身体を貫いた刀は言霊か呪物か―――
「ムメさん!!!くそ…っ何で…何で結界を…!!ムメさん!ムメさん…っ!」
自分が、結界が解けている事を忘れていたから。だから慎の術が届いてしまったのだ。
腹部を圧迫しても、地面の緋色は広がっていく。呼びかけても、白くなっていく肌を止められない。
「ムメさん!一緒に戦うって言っただろう!?…信じるって…そう言われて嬉しかったのに…ムメさん!!お願いだから―――僕はもう…もう、目の前で大切な人を失いたくないんだ…ッ!」