言霊師
立ち話なのが気にかかり家に来るかと尋ねたら、行く、と即答されて変に戸惑ってしまった。


家に着くと、来客を珍しがって、いつもよりも言霊達がワイワイと寄って来る。

ムメにも当然見えているから、騒々しいのが申し訳なく思い、謝った。


「可愛いじゃない。…でも、自由すぎる。

掃除はするべきよ。」






聞き返したヒョウリの言葉が、言霊になるのと同時に、ムメの瞳が光る。

その冷たく、人間ではありえない色の瞳の中に映った言霊は、

全て、



消えた。
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