言霊師
―――あの方は、覚えていてくれるだろうか…?

私の顔。

私の声。


私の



名前…―――





言霊を消してみせた彼女は、目を閉じ、つらつらと思い出していた。
ヒョウリが硬直しているので、その時間は十分にあった。

< 48 / 235 >

この作品をシェア

pagetop