言霊師
けれど、“その時”はすぐに訪れた。

かの人物に雇われた呪術師が、祠を見つけ出したのだ。


『一言主に仕える一族よ。
取引きをしよう。』


取引きの内容は恐らく、結界内の者の命を助ける代わりに、“力”を寄越せ。そんなものだろうという事は誰しもが感づいていた。


長は、周りに告げた。

『私が必ず皆を守る。その為にいるのだからな。…良いか。何があっても、何を見ても、此処から出るのではないぞ。』



そうして彼は、結界の外へ…―――
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