言霊師
『お前が一族の長か。』


『…近付くな。貴様のような者に、力も、一族の命も、くれてやるわけにはいかぬ。』


『こちらとて、初めから是という返事など期待しておらぬわ。…取引きなぞ、やはり無駄な事のようだな。』


『ならば去れ!!!』


『立ち去ったところで、もはやどうにもなるまい…?』


『何?』


結界の中から悲鳴が聞こえたのは、まさにその瞬間だった。
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