言霊師

『未来永劫、我等は貴方を護る。
言霊を視る力で。操る力で。自分の全てで。

だから、どうか…どうか…、

家族を、助けて欲しい。』



涙がこぼれた時には、既に長は息絶えていた。その目に最期に映っていたのは、紛れもなく一言主の神。
その姿は、眼を持つ者にしか見えない。


『―――まことに、恐ろしい事よのぉ。特異な力を持つだけで淘汰される世だというのに、人心を操り得るなど…邪魔でしかないわ。』


自分が率いてきた者の他は、全て消した。先程、結界内で見事に仕事をやり遂げた“操り人形”も、すぐに殺した。
あとは、忌々しい神を捕らえるのみ。
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