言霊師
妹が出来た事に喜びを隠せなかった彼は、生まれた娘に付けられた名に愕然とした。
言霊を消す力を授かる目印。“ムメ”という名。
運命は決まったようなものだった。
「彼はそなたの名を知ってすぐに、当時適任が不在の為に休止となっていた、かの“仕事”をさせてくれと私に願い出てきた。
流石にあれには驚いたよ。いくら彼に力があるとは言え、すぐに了解はしなかった。」
「知ってます。兄に…兄の言霊に、聞きましたから。
私が力を授かるのは、20歳の誕生日。
それまでの間に対象者を消せるだけ消して、私の仕事を減らそうとしてくれた。」
ムメの兄は、10歳下の妹にかかる負担を減らすため、力を強める訓練を続けた。
そして、ある冬。
とうとう、一言主から仕事を任されたのである。
ムメが13歳の誕生日を迎えた日であった。
言霊を消す力を授かる目印。“ムメ”という名。
運命は決まったようなものだった。
「彼はそなたの名を知ってすぐに、当時適任が不在の為に休止となっていた、かの“仕事”をさせてくれと私に願い出てきた。
流石にあれには驚いたよ。いくら彼に力があるとは言え、すぐに了解はしなかった。」
「知ってます。兄に…兄の言霊に、聞きましたから。
私が力を授かるのは、20歳の誕生日。
それまでの間に対象者を消せるだけ消して、私の仕事を減らそうとしてくれた。」
ムメの兄は、10歳下の妹にかかる負担を減らすため、力を強める訓練を続けた。
そして、ある冬。
とうとう、一言主から仕事を任されたのである。
ムメが13歳の誕生日を迎えた日であった。