カレカノ

慶太の苦笑いに朱希は気付いているのかいないのか…

「あ!次は体育だね?行かなきゃ」


慶太の言葉に朱希が席を立った。



…―一方、柚葉のクラスの次の授業は数学でやる気もなく黒板を眺めていた。



先生の言葉の半分は耳に入っているだけで抜けていく。



窓から差し込む陽だまりと春風が気持ちいい。



ふいに外のグラウンドに視線をやると猫背で歩く見慣れた姿に笑った。



…―朱希だ。



小さい頃から猫背気味でがに股で歩く。



体操服のズボンをだらしなく履き隣には小田(慶太)君がいる。



サッカーボールを追い頭を動かす朱希の柔らかい髪が揺れて華奢な腕を上げ声援を送る姿を眺めた。



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