【完】俺の守護霊
『あっ、翔!決めたからお願いしていー?』
元の美緒がいた場所へと戻って行こうとした時、先に美緒が俺に気が付いた。
俺は頷いて美緒の後ろに付いていく。
『これとねー、これ!』
「はっ?2着だけ?」
俺に服を指差して頷く美緒。
何遠慮してるんだよ。
しかもこれ、全部セール品で安くなってるやつだし。
変な気、使わなくていいのに。
「2着だけじゃなくて、他にも選べって」
俺が周りを気にしながらボソっと呟くように言うと、
『う〜ん、こっちとこっち、どっちがいいと思う?候補だったんだよね』
と2つの服を指差して言った。
…また。
どうして一着に決めようとするんだ。
「両方」
『えっ?』
悩んでんなら両方買えばいいだろ。
そう思った俺は今美緒が指差していた二着を掴むと、合計4着をレジへと持っていった。