恋愛両立
「ごめん、なんか空気悪いね。」
山道に入って、展望台みたいなところで敦くんは車を止めて窓を開けた。
空気が悪い・・・・
どっちの意味?
あぁ、ダメ。
ホントにどうしていいかわかんないよ。
敦くんを見つめていると
「ホント早紀ちゃんて反則だよ。」
苦笑いした敦くんと目が合った。
「え・・・?」
反則?どういう意味?
まただ、これは私の理解力が低いせい?
首をかしげている私の頬に敦くんの手が伸びてくる。
「俺、結構本気で好きになりそうなんだけど。伝わってない?」
真剣な敦くんの目。
吸い込まれそうで動けない。
ただ見つめることしか出来なくて。
どうしていいかわからない。
敦くんが私を好き?
なんで?出会ってまだ2日なのに。
じゃぁ私は?
動けない私。
沈黙が続く車内。
沈黙を破ったのは敦くんだった。
「そんなに見つめられるとキスしたくなるんだけど。」
動かない私に敦くんが柔らかく笑う。
「え?えぇ??!」
敦くんの言葉に我に返った私は思わず後ろに下がり口に両手を当てた。