†Orion†〜Nao's Story〜


「森谷が奈緒のこと好きだったなんてな。……それなら仕方ない」



あまりにもあっさりと身を引く先輩を見て、心臓がドクンと重い音を立てた。


そんなに簡単に引いてしまうものなの?

彼氏なら“こいつは絶対に渡さない”とか、そういう態度を見せるものじゃないの?



「へぇ……、そんな簡単に引いちゃっていいんですか?」


「……森谷の気持ちを知ったからには当然だろ」



――ちょっと……。



未練のかけらも見せずに、先輩は溜息をつきながら言う。

あたしが思い描いていたモノとはあまりにもかけ離れすぎて、眩暈を起こしそうになる。



「ふうん」



先輩の言葉を聞いて、森谷は意味深な表情を浮かべている。


< 146 / 220 >

この作品をシェア

pagetop