†Orion†〜Nao's Story〜
承諾書を書いたお父さんは、それをあたしじゃなくて、亜里沙に見せに行く。
「承諾書って、こんなんでいいのかな」
「あぁ、うん。完璧」
「じゃあ亜里沙ちゃん、奈緒を頼んだよ」
……ちょっと。コドモ扱いしないでよ。
たかがピアス開けるだけなのにさ。
お父さんの過保護さにほとほと呆れて、あたしはブラシをしまうと玄関に向かった。
「ごめんね、亜里沙。待たせて。行こう」
「うん。じゃ、お父さん、行ってきます」
亜里沙に“お父さん”と呼ばれ、お父さんはとても嬉しそうな顔をしている。
「行ってきます」
……あたしはやっぱり、“お父さん”と呼べないけれど。