†Orion†〜Nao's Story〜


昼休み。

あたしと亜里沙は、お弁当を食べながらピアスの話題で盛り上がる。



「病院で開けてもらった方が痛くないのに。奈緒ってば無謀すぎるー」


「……だって。すぐに開けたかったし。……ねぇ、開けるのに一万円で足りる?」


「あぁ、大丈夫だよ」



どこの病院がいいのか分からなくて、あたしは亜里沙がピアスを開けた病院に行くことにした。



「……なに? ピアス開けるのか?」



楽しい楽しい、ピアスの話。

憎たらしい声がそれをぶち壊す。



「……森谷。盗み聞きしないでくれるかなぁ?」



あたしの隣の席で、いつものようにiPodで音楽を聴いていたあいつ。

いつの間にかイヤホン外して、こちらを見ている。


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