君のとなり―昼休みの屋上で―
扉を開ければ、視界に入ってきたのは白い塊――――――――毛布にくるまった裕の姿だった。








起こさないようにそぉっと近付いて見てみると、真っ白な毛布の中にあるのは、裕の寝顔。






『ほ―んと、綺麗な顔してるよなぁ・・・。』



頬に触れてみようと手を伸ばすと、









グイッ







手を引っ張られ、そのまま毛布の中に引きずりこまれた。





『なっ、裕起きてたの!?』

「んな人聞きの悪い。いま起きたとこだって。」



・・・絶対嘘だ。







「そーんなことより。はるは人の寝込み襲っちゃうような悪い子だったの―?」

『・・・それこそ人聞き悪いんですけど。』





唇を尖らせながらそう呟いた私にクスリと笑うと、裕は私の頭を撫で始めた。





どんな時だって、裕の手の温度は同じ。
少しひんやりとしてて心地いい。





その心地よさに思わず目を閉じていると、いきなり裕が話し始めた。




「・・・今日、ちょっと遅かったね。」




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