君のとなり―昼休みの屋上で―
「は、るか。」



父の声が聞こえたが、気にしていられなかった。
父の声より、前にいる男の人に・・・目が奪われていたから。



歳は父と同じ、または少し上といった感じの、キレイな男の人だった。



だけど、瞳が・・・恐ろしく冷たくて。
金縛りにあったかのように、私は動くことができなかった。



「はじめまして。はるかちゃん・・・だよね?」


声すらも―――冷たい人だった。



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