君のとなり―昼休みの屋上で―
私の様子に気付いたのか、男の人はフッと笑い、家を後にした。



「では、頼みますよ?・・・田宮君。」



そんな言葉を残して。



その瞬間、泣き崩れる母と、机に拳を叩き付ける父の姿が目に映る。



だけど、幼い私には、事態が飲み込めていなかった。



私があと2つ、いや、あと1つ大人だったら、もう少し事が飲み込めたかもしれないのに・・・




< 39 / 104 >

この作品をシェア

pagetop