君のとなり―昼休みの屋上で―
―――――「さて!では倉田さん、答えをどうぞ!!」





そう言うと同時に、司会者は翔にマイクを手渡した。




マイクを渡された翔は、千秋と同じように、ペコッとお辞儀をした。







ギュッ・・・





先程と同じように、手に温もりを感じた私は、そっちに顔を向けた。



そこには、不安そうに私を見つめる美夏の姿。





「はるか・・・大丈夫?」




私が不安だと思ったのだろう。
気遣ってゆっくりと言葉を紡ぐ美夏。





『・・・大丈夫だよ?
ふふっ、なんで美夏の方が不安そうなの??』



私が笑ってそう言うと、美夏の顔が安心に染まる。






それと同時に、翔のマイクを通した声が聞こえた。





「えっと・・・まずありがとう。なんだか前の人達と同じ事しか言えないけど、すごい嬉しいです。」



そう言って微笑む翔に、再び女子の悲鳴が聞こえた。





「だけど・・・ごめんなさい!
俺、今付き合ってる人がいるから。だから・・・みんな、もっといい人見つけてください。」



そう言って、もう一度頭を下げると、翔はそのまま舞台袖へ戻っていった。



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