恋・したい
照れ隠しに柚季の胸元辺りをどん!と押して距離を作る。

【莉梨愛ちゃん…?】
『怒ってないからほっといてて』

またそっぽを向き静かに深呼吸を開始する。
すぅ…はぁ…すぅ…はぁ…
ふぅ――っ
これでだいぶ落ち着いたわ。
柚季の方を見たら、あれ?なんか沈んでない?

『柚季、どうしたの?』
【莉梨愛ちゃんがほっといてってゆったから話かけないように努力してるの】
『もういいよ』

無言のまま抱きついてくる。

『ちょっとっ!な…』
【ごめんなさい。嫌わないでね。多くは望まないから…傍に居られるだけでしあわせだから】

ずるいよ
そんなセリフ
きゅぅ、と胸が鳴いた。
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