恋・したい
柚葉ちゃんの登場に暫し圧巻され引きずられてゆく柚季に苦笑いをする事しか出来なかった。
ふと視線を感じ人波の向こうへと目をやる。近付いてくるあの人は

「リリア」
『お母さん…』
「綺麗よ、お父さんにも見せたいわ」

ドレスの裾を直しながら優しく微笑む。

「いつの間にこんなに大きくなったのかしらね…。教師生活は慣れたの?連絡ひとつもよこさないで、忙しいと思ってるけど心配なんだからメールくらいしなさい!」

肩をぺちんと叩かれ一喝されてしまった。

『だいぶ慣れたよ。それよりなんでお母さんは佐倉財閥と知り合いなの?』
「その事?私の生徒だったのよ」
『柚季のお母さんが?』
「彼がよ」

彼って…?

「柚季君のお父さん。彼はとても勉強熱心ね。レストラン経営までしちゃうなんて凄いわ」
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