恋・したい
あまりにもさらりと自然に言ってのけたから思わず聞き返した。
私の1メートルくらい先に歩いてく由宇は時々振り返り顔を見ながらぽつぽつと自分の気持ちを伝えてくれる。

「りぃの事描いててすごい楽しくてね、前よりももっと絵が好きになった。そしたら色んなこと学習したくなってね。あぁ、このままじゃいけない、芸術の世界は広いんだなって改めて実感したの」

はっきりとした口調で真っ直ぐな言葉に時折相槌をする。

「日本に居て習得する事は山ほど有るけど海外に行ってその土地の文化や芸術を吸収するのは今しかないって由宇は思って…」
『いつ行くの?』

言葉を遮り、由宇を見据えて問う。頬が緩んで一呼吸して、明日だよと切なそうに答える。
余計な考えや心配はしなくてもいいんだ
だって私の由宇だから


『お腹空いた。ご飯―』
「じゃ由宇ん家行こ」
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