恋・したい
何を着ようか散々迷って約束の時間に少し遅れつつ早足でお店へ向かう。

お昼頃いつものお店で待ってるね

返信は意外にあっさりしたものだったからなんか拍子抜けちゃった。これってデートなの?呼び出されただけじゃ…
まだ履き慣れないパンプスと一緒にお店の玄関に入ってゆく。

【いらっしゃいませ、お待ちしておりました。此方へどうぞ】

柚季が出迎えてくれた事に驚き足がピタッと止まった。

『あ、あの…』
【野上様、あちらの奥のお席へどうぞ】

促されるままに席へと案内される。

【食前酒はいかがですか?】
『ええ…頂くわ』

ワインの栓をたどたどしく開ける姿が私の緊張をほぐしてくれた。
ポン!と小気味良い音をたててコルクが抜ける。
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