恋・したい
【莉梨愛ちゃんも子供みたい】

頬を優しく包みながら笑う柚季。

『25のどこが子供みたいなのよ』
【莉梨愛ちゃん25歳なの!?見えないよ】
『そりゃ大学出て教師になるったらそれくらいの年齢にはなるわよ』
【莉梨愛ちゃんお人形さんみたいに綺麗なんだもん。あ、妖精とかもいいね】
『…そろそろ帰ろっか』

柚季からするっと離れて正面玄関へ向かった。触れられていた頬が火照ってる。

【待ってよ!】

少し遅れて柚季が追い付く。右手を掴んできゅう、と握る。

【莉梨愛ちゃんの手小さいね。可愛い♪】
『そう…?ありがと』
信号を渡って左へ曲がる。

『こっちだったっけ?右じゃなかった?』
【寄り道寄り道♪】

ちょっと強めに私の手を引いて歩く。何処行くのかなあ。
すれ違う人がみんな私たちを見てるような気がして恥ずかしかった。俯き加減で爪先を見て歩く。

【莉梨愛ちゃんの顔はどこにいったのかなあ?】
『はっ?』

顔を上げ柚季を見る。

【あ~!あったあった♪俯くのやめなよ。ね?】
『…ん』
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