恋・したい
「お昼過ぎてるね。何処か食べに行く?」

トイレから出てきた私にTVを見ながら尋ねてきた。

『…あ―、じゃお勧めのとこ行こっか』
「何!?お勧めって?どこどこ?」

素早く靴を履く由宇が可愛い。でもTVは消してね。

『そんなに焦らなくてもお店は逃げていかないって』

履き慣れてるパンプスに足を入れながらのんびりと返した。

「りぃのお勧めのお店早く見たいの!早く早く!」

由宇に有無を言わさず引っ張られながら部屋を出た。階段を降り道路に出たら

「りぃどっち!?」


興奮しすぎだってば。由宇の手を引き歩き出す。



「いらっしゃいませ。いつもありがとうございます。此方へどうぞ」

案内され、席に着く。柚季のお店は相変わらず素敵だな。

「ここ、常連なの?」

由宇がメニューで口元を隠しながら小さな声で聞いてくる。

『常連ってゆうか…』
「すごいじゃん。高そうだよね」
『私の奢りだから遠慮しないでね』
「マジ!?でもメニュー迷うなあ…」

柚季と来た時はいつも“いつもの”だったしなあ…

「いらっしゃいませ。あ、此方へ…」

暫くメニューとにらめっこしなくちゃならないのかな…

【莉梨愛ちゃん♪】
< 87 / 244 >

この作品をシェア

pagetop